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No.2141 2017-09-30
テンペリアウキオ教会

ヘルシンキ中央駅

ヘルシンキ大聖堂

クルーヌンハカ地区

カンピ礼拝堂

HJKヘルシンキ対PSケミ

■起きて外を見るとどんよりとした曇り空。ホテルの朝食はセルフ方式で、見慣れない食べ物もあった。穴のあいたチーズやハム、ベーコン類はおいしかった。 独特の酸味がある黒っぽいパンもおいしかった。フィンランド独自の「カレリアパイ」という、おかゆのような米を乗せて焼いたかりっとしたパンも食べてみたがほんのり甘くておいしかった。 食事が済んでから出かけた。地下鉄とバスターミナルがある「カンピ(Kamppi)センター」の売店で二日間トラム等が乗り放題になる券を購入。 レジの店員が「宝くじも買わないか?」と笑いながら勧めてきた。泊まっているホテルの目の前にある「Luonnontiet.museo」という停留所からトラムに乗る。 「museo」というのはたぶんmuseumに当たる言葉であろう。ちょうどヘルシンキ自然史博物館という建物が前にある。フィンランド語は世界的にもかなり難解な言語なのだそうで、 他に類似した言語も極めて少ない上にフィンランド語を使用する人口もあまり多くはない、マイナーな言語と言ってもいいかと思う。 フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語で、交通機関や観光施設、商業施設等にはだいたいその両方の言語の表記がある。 スウェーデン語の表記のほうがまだ英語に通じる部分があって類推できる単語もあるがフィンランド語はそれも難しい。
■トラムに乗ってほんの数分で「Sammonkatu」という停留所で下車。「〜katu」は「〜通り」だとわかった。 歩いてすぐの場所にあるテンペリアウキオ教会へ。5階建てくらいのアパートメントに囲まれた場所にある。 アパートメントの建物が連なる町並みはきれいだけど古い建物だろうからエレベーターもついてなくて上のほうの階に住んでる人は大変だろうなといらぬ心配をした。 テンペリアウキオ教会の入場料は3ユーロ。現金で払ったがこういった小額の入場料でさえクレジットカードで支払えるようになっている。 教会の中に入ると大きな岩山をくり抜いて作ったという空間で、円盤のような銅製の天井を乗せている。上部の側面はガラス張りになっていて自然光が入ってくる。 壁は岩肌がむき出しになっていて、天井やガラスとの対比はとてもインパクトがある。1階と2階にコンサートホールのような配置で座席があって、 座面の色がピンクぽい明るい紫で、こういう色使いのセンスはすごいなと感心する。1階のステージ状の場所に一人、ハープシコードのような楽器を演奏している者がおり、 岩の空間に美しく音色が響いていた。教会らしいイコンやステンドグラスやイエス像は無いけど、上からの光と岩肌に響く音でなんとも言えない安らかな気分になる。 外に出て、岩山に登ってみる。近所の人がこの岩山で犬の散歩をしていた。上に上がると教会の天井部であるドーム型の屋根を間近に見ることができる。 岩の小さな窪みには雨水がたまっている。
■トラムで中央駅へ。駅の外と中を改めてゆっくり見る。それほど大きな駅というわけではないが、国際列車も発着する国の玄関としてふさわしい風格の建物である。 ヘルシンキの鉄道や地下鉄の駅には基本的に改札というシステムはなく、誰でも自由に駅のホームに出入りができる。トラムも含めて、やろうと思えばタダ乗りできてしまうヘルシンキの鉄道網だが、 良く言えば利用者の良心を信用している、実際のところはタダ乗りを排除するためのコスト(設備や人件費)を省いているということだろう。自分が滞在している間は遭遇しなかったが、 ときどき抜き打ちで車内に検札員が数人で乗り込んできて、切符を持ってないとかなりの高額な罰金が科せられるのだという。トラムの切符に関して言えば車内でも買えるし停留所に券売機があればそこでも買える。 「R-Kioski」というコンビニエンスストア的な店で一日乗車券や二日乗車券等も買える。それらの決済は当然のようにクレジットカードで行える。スマートフォンのアプリでも買える。 ホテルで寝ていてふと深夜に目が覚めたときトラムが走っている音が聞こえた。ヘルシンキのトラムは深夜2時頃まで走っている。すごい。 そもそも人口60万人ほどの都市にも関わらず多くの路線のトラムが整備されていて、運行間隔が短く本数が多い。朝早くから深夜遅くまで運行していて、 さらには近郊列車、地下鉄があり、トラムよりさらにきめ細かく路線バスが町中を網羅している。要するにこれは公共交通のありかた、考え方が日本とは根本から違っていて、 人々の移動の自由を保障するための福祉の一環なのだろう。ヘルシンキ市の交通局が運営しており、利益を出すとか採算を取るという考えに基づいた運用ではなく、あくまでも公共サービスという位置づけである。
■駅の頭端型のホームから、線路が伸びる北の方角を眺めると、遠くに遊園地の大きな観覧車が見える。ホームがたくさんあって、二階建ての長距離列車、近郊区間の列車、空港行きの列車等が停まっている。 駅前の繁華街を通り抜け、数分歩いてヘルシンキ大聖堂へ。おそらくヘルシンキ観光でほぼ全ての人が見に来る場所であり、いわば町のシンボルである。 やや高台となっている場所にあり、建物自体も大きいので遠くからでも見える。大聖堂の前には元老院広場と呼ばれる大きな広場があり、中央にはロシア皇帝アレクサンダー2世の像が立つ。 政府の官舎、フィンランド国立図書館、ヘルシンキ大学の建物が広場を囲んでいる。広場の脇にはいつも観光バスが何台も停まっている。 1852年に完成したこの白亜の端正な大聖堂はキリスト教ルーテル派の総本山なのだそうだ。木製の大きなドアを開けて中に入ってみると確かに教会然とした設えで天井が高く、大きくて立派なパイプオルガンがある。 入場料は無料だった。ヘルシンキ大聖堂から北東の方向へ歩いていくとフィンランド銀行の真向かいにネオ・ルネッサンス様式のような派手な装飾のある建物があり、前に観光客が20人ほど集まっている。何か有名な建築なのだろうかと思ってGoogleMapで確認してみたが 「House of the Estates」と表示されるだけで何なのかはわからなかった。このあたりのエリアは「Kruununhaka(クルーヌンハカ)」という地区で、ヘルシンキの中でも高級住宅街なのだそうだ。とは言っても一戸建てが建っているわけではなく、 古い都市の中心市街地なのでアパートメントが建ち並んでいる。地区の東側は海に面していて、建物の間の下り坂の向こうに海や船が見える風景は私の地元函館の景色にも少し似ていた。 市内はどこへ行っても道路の両側に自動車がずらりと縦列駐車されている。これはおそらくヨーロッパの住文化に由来するもので、建物を道路ぎりぎりまで建てて、区画の中心には外を隔てた「閉じられた屋外」としての中庭を設ける文化であるため、 駐車場のスペースが無い。そこで止む無く道路に停めるのであろう。ただ、日本の都市と違って道路の幅が大きく、また、交通量がさほど多くはないためそれほど通行の障害にはなっていないように見受けられた。 アパートメントの中でも特に街路の角に面した建物は意匠に気合が入っていて、塔を設けてみたり、バルコニーを独特なデザインにしたり、奇抜にならない程度のバランスでそれぞれ工夫を凝らしていて見ていておもしろい。入らなかったがこのエリアにはムーミンカフェがあった。
■ぐるりと巡って再び中央駅まで戻ってきた。少し遅い昼食を取る。FORUMという商業施設内のレストランで焼いたサーモンを食べる。でかくて脂があってうまい。 サワークリームが付いてきた。これをつけて食べてもうまい。付け合せはフライドポテトと野菜。レストランの従業員は明るくて感じがよかった。一度ホテルに戻る。 駅からホテルまでの間にあるナリンッカ広場の一角にカンピ礼拝堂という、妙な建物がある。木材を曲げたやつをいっぱいくっつけたような外観をしていて、 こんなのどうやって作ったのだろうと思った。建物の中に建設工事中の写真をまとめたファイルがあったのでそれを見たら、木材を曲げたやつをいっぱいくっつけて作ってた。 おそらく蒸気を当てて木材を曲げて、それを貼り合わせていったのだと思う。日本の曲げわっぱの作り方に似てる。アールがついた木製の壁が美しい。 中央駅近くの駅前の賑やかなエリアにあって、すぐそばにはカンピ・ショッピングセンターもあって人通りが多く、がやがやとした場所だが中に入ると静かな空間である。 礼拝堂という名前だが宗教の行事をやるわけではなく、静寂の中で自由に祈りを捧げる場なのだそうだ。木材の良いにおいがしていた。2012年に完成したとのことである。入場無料。 ナリンッカ広場には、メリーゴーランドが突如出現していた。前日までは無かったはずである。多くの家族連れが乗っていた。カンピ・ショッピングセンターの地下のスーパーマーケットで食べ物や飲み物を購入。 地下にはたくさんの長距離バスの乗り場があって、人がたくさん歩いていた。
■夕方からはトラムで「Toolon halli」という停留所まで行った。降りてすぐのところにサッカーのグラウンドがあり、ちょっとした観客席もついている。何かの公式戦のようで、勝ったチームは大変喜んでおり、 負けたチームはひどく落胆しているようだった。このあたりはサッカー場やプール、アイスホッケー場等のスポーツ施設が集まっている場所で、その中心には1952年のヘルシンキオリンピックのときに建てられた「オリンピック・スタジアム」がある。 その隣にあるのが「Telia 5G Areena」というサッカー専用スタジアムで、収容人員は10000人余り。Teliaはおそらく携帯電話通信キャリアの会社名と思われる。ネーミングライツであろう。 フィンランドのプロフットボールリーグである「ヴェイッカウスリーガ」のHJKヘルシンキとHIFKヘルシンキのホームスタジアムとなっており、この日はHJKヘルシンキ対PSケミの試合がある。それを見に来た。 HJKヘルシンキはフィンランド国内では最も多くタイトルを取っている実績のあるクラブで、以前アルビレックス新潟で活躍していた田中亜土夢選手が所属している。しかも背番号10をつけて2015年、2016年と2シーズン連続でベストイレブンに選出されている。 だから見に来たというわけではないがタイミング良く滞在中に生で現地のサッカーの試合があるとわかり、夜はあまりやることもないしちょうどいいなと思って見に来た。小さなチケット売り場があり、 ゴール裏の安い席を当日券で購入。「ゴール裏」は「behind goal」で通じた。試合開始まで一時間近くあったのでグッズの売り場でも見ようと思い、入場ゲートにいたスタッフにグッズのショップはどこなのか聞いたら、 なぜか近くにいた地元の少年が案内してくれた。こっちこっちと先導して歩いて、売り場のドアを開けてくれた。お礼を言ったらはにかんで去っていった。よい子である。HJKヘルシンキのマフラーを購入。 こちらではマフラーのことをスカーフと言っていた。スタジアムに入ると手荷物検査をかなり厳しくやられた。スタジアムにはグッズショップの他、スポーツジムや飲食店等も併設されている。
■実は既にこのHJKヘルシンキが、5試合残して今季の優勝を決めており、消化試合と言っていい試合である。だからお客さんが全然いないのか、と思っていたら試合開始直前にわらわらと座席に人が入ってきた。 寒いのでぎりぎりまでみんな室内にいたみたいである。そこそこ座席が埋まり試合が始まった。開始後に入ってくる者もかなりいた。田中亜土夢選手はスターティングメンバーに名を連ねており、時折よい飛び出しや セットプレーのキックで見せ場を作るが前半はあまりぱっとしなかった。後半は多くのチャンスに絡み、活躍を見せた。試合は4-0でHJKヘルシンキが勝利した。 対戦相手のPSケミはヘルシンキから北へ700kmほどの場所にある人口22000人ほどの町をホームタウンとしているクラブのようだ。フィンランドの国土は南北に長くて意外に広い。 ゴール裏席のそばにある売店であたたかいコーヒーを買って飲んだ。地元客は寒いのにビールを飲んでいた。チケットもグッズも売店もクレジットカードが使える。スタジアムは日本と同じくらいかそれ以上に綺麗で座席間隔もゆったりしており、 ゴール裏席にも背もたれのあるシートがついている。応援スタイルは日本みたいにだらだら変な歌をずっと歌ってるのではなく、時折自然発生的にチャントや手拍子が始まる。それが人数のわりに迫力があってかっこいい。子供や女性客の割合がかなり高く、 地元の人にとって安全な娯楽であるように見受けられた。ゴール裏席にはボールが飛んで来ないようにネットが張られている。試合後スタジアムの外に出ると馬に乗った警察が警備していた。ヨーロッパらしくて格好が良い。 ホームチームが勝利したのでみな機嫌よく帰宅の途に着いたようだ。トラムに乗ってホテルの前の停留所で下車。すっかり暗く、夜は寒い。
No.2140 2017-09-29
タリンク・シリヤライン船上

ふとっちょマルガレータ

ヴィル門

聖オレフ教会から見たタリン旧市街地

タリンの町中

夜のヘルシンキ市街

■早起きしてホテルを発った。まだ外は暗く、治安のいいヘルシンキとはいえ若干の緊張感はある。地下鉄の「Kammpi」駅内にある券売機でトラムの一回乗車券を買った。 「Kampintori」というトラムの停留所から7番の路線に乗って終点の「Lansiterm. T2」で降車。所用時間は10分程度。終点の停留所があるあたりは海を埋め立てた場所で、 真新しい乗船ターミナルの建物が建っている。中に入ると有人の発券カウンターと自動チェックイン機、売店、トイレ等がある。駅の自動改札機のようなものがいくつも並んでいる。 今日はここからフェリーでバルト海を挟んで南の対岸にあるエストニアの首都タリンまで行く。事前に用意していたバウチャーのバーコードを機械にかざすと乗船券が出てくる。 乗船券は日本の旅行代理店を通して購入することもできるが値段が高い。自分でネット予約すれば片道19ユーロだ。時季や曜日、日帰りか否か、乗船日までの日数等で変動するようで、 自分が調べたときは特に土日の料金が高かった。乗船までベンチで座って待つ。乗船案内のアナウンス等もなかったが人がぞろぞろと船内へ向かっていくのが見えたので少々慌ててその列に加わる。 大きなバッグやキャリーケースを持った者もいるが軽装で手ぶらの者もいる。少年バスケットボールチームのような集団もいる。
■ヘルシンキとタリンを結ぶ航路には複数の会社が就航しており、そのうちの一つである「タリンク・シリヤライン」という会社の船に乗った。 乗客の定員は2000人近く、乗せられる乗用車の数は470台という大きな船で、所用時間は片道約2時間。個室もあるがそれほど長い乗船時間ではないので一番安い自由席利用である。 自由席といっても新幹線などのように座席がずらりと並んでいるわけではなく、複数のフロアにある飲食店の座席にみな適当に座っている。 スーパーマーケットもあるし免税店もある。バーガーキングやバーやパブレストラン、ビュッフェレストランもある。ゲームセンターのようなコーナーもある。 どういうわけか予定出航時刻より10分ほど早く船が動き出した。おそらく車を全部乗せて用意できた時点で出航するのだろう。外のデッキに出て見るととても寒い。 夜明のバルト海が見える。太平洋と日本海以外の海を初めて見た。デッキは喫煙所になっているようで、体の大きな男達が寒そうにしながら煙草を吸っていた。 これから向かうエストニアの青・黒・白の国旗が風にたなびいていた。寒いので船内に戻る。寝袋でそこらの床に寝てる者もいるし床にノートPCを置いてゲームをしている者もいる。
■船内の窓から遠くに陸地が見えてきた。船の出入口近くに移動し着岸を待つ。概ね定刻通りに到着。エストニアに到着し下船する。船での出入国というのはなかなか無い経験ではないかと思う。 ヨーロッパの多くの国がシェンゲン協定に加盟しており、加盟国間の移動は入国・出国審査がない。フィンランドもエストニアも加盟国である。パスポートのチェックもなく入国。「D4」というターミナルのようだ。 エストニア側のターミナルの建物はあまり大きくない。エストニアも通貨がユーロのため、フィンランドから入国する場合は両替も必要ない。携帯電話やスマートフォンの通信に関しては今年の6月からEU圏内であればローミングフィーがかからなくなったということで、 ヘルシンキで買ったSIMを挿したままローミングをONにしておけば特に手続きは必要なく勝手に通信キャリアを探して接続してくれる。ヘルシンキではDNAというキャリアのプリペイドSIMを買ったのでDNAの電波を使用したが、 タリンでは場所によって「Tele2」と「Elisa」というキャリア名がiPhoneの画面に表示された。LTEなのか3Gなのかよくわからなかったが通信速度は特に問題無し。
■エストニアはバルト三国のうちの一つでかつてはソビエト連邦の一部だった。現在はEU加盟国である。福岡市ほどの人口だがIT先進国で、Skypeを開発したのはこの国の会社なのだそうだ。 ヘルシンキと比べて物価がかなり安いため、ヘルシンキから酒や食料品の買出しにわざわざ来る者も少なくないらしい。実際、帰りの船に乗る際、若者達がハイネケンの缶ビールが入ったダンボールを大量に運んでいるのを見た。 ターミナルから15分ほど歩いてタリンの旧市街地の北の端の入口である「Suur Rannavarav(Great Coastal Gate)」に到着。門とつながって「Fat Margaret Tower」という特徴的な建物がある。 太い円筒形をしており、ガイドブックなどには「ふとっちょマルガレータ」などと書かれている。現在は海洋博物館となっている。それにしてもこのタリンの旧市街地というのはなかなかにすごい。「Historic Center of Tallinn」という名称で世界遺産に登録されており、 これは一見の価値があると感じ、今回の旅行ではぜひ見たいと思ったんである。古くは13世紀の建物が現存しており、浦安のあたりにあるテーマパークのハリボテとは違う、いわゆる「中世ヨーロッパ」の街並みがそっくりそのまま残っている。 ずっとずっとその場所にあり続けたものとそれを後世に残した人たちは尊いと思う。旧市街の中心にはラエコヤ広場があり、外周にはいまも城壁が残存している。 詳しくはわからなかったが要人か何かが来訪しているようで、旧市街には警察など警備の者たちがたくさんいた。北から南へ向かって石畳の道を散策する。まっすぐの道は少なく、だいたいぐにゃぐにゃしていて道幅は全体的に狭い。
■土産店のショーウィンドウを見るとトランプ大統領、オバマ前大統領、プーチン大統領のマトリョーシカがあった。人からもらったらちょっと困ると思う。道端でヴァイオリンを弾いている人がいた。 映画のタイタニックの曲とか聞いたことのある有名な曲をたくさん演奏していて、上手だった。平日の午前中だったためか、観光客の数はそれほど多くなかったように思う。どこまでも続く美しい街並みに夢中になった。 しばらく歩き昼近くなってきたので一軒の飲食店に入り昼食。ランチメニューは三種類ほどあり、ドリンク付きで4.5ユーロ。安い。パンとチキンとポテト、それにビーツという赤紫色の謎の野菜が載ったプレートのランチ。おいしかった。 建物はとても古いようだが、その古さを活かしたインテリアはセンスが良い。ぐるりと旧市街の中をくまなく歩き、最初に見た「ふとっちょマルガレータ」のそばにある聖オレフ教会へ。 3ユーロ払って中に入る。石造りの螺旋階段を登る。狭いから一方通行かな、下りは別ルートがあるのかなと思っていたら上から人が降りてきた。譲り合ってすれ違いながら250段程の階段をひいひい言って登る。途中の小窓からは他の教会や遠くの海が見える。 登り切ると尖塔の屋根のへりに設けられた足場から眼下に広がる赤い屋根の連なった旧市街の街並みが一望でき、遠くには聖ニコラス教会やアレクサンドル・ネフスキー大聖堂、トーンペア城の「のっぽのヘルマン」等が見える。 がんばって登ったのが報われるとても良い風景を楽しむことができる。しばらく眺めた。足場をぐるりと一回りする。狭いので他の人とすれ違うのに少々苦労する。この日はそれほど人がいなかったが、休日で観光客が多いときなどこの場所は狭くて大変だと思う。 階段を下り、せっかくなので教会の内部も見学させてもらう。天井がとても高く、思いのほか広い。木製の長椅子が整然と並び、静まり返った空間に立っていると厳かな気持ちになる。
■観光客が自由に利用できるトイレはあまりなく、探したら旧市街の東の出入口であるヴィル門のそばに市営公衆トイレがあった。料金は1ユーロだった。そこの門から旧市街を出て、大きな通りに沿って南へ。劇場やオペラハウスがあった。 町行くタリンの人たちは顔立ちが整っていて長身で手足が長く、顔の小さなモデルみたいな人がとても多い。それと比べるとアジア人はちんちくりんだなと感じた。身長はともかく顔の大きさが違う。すごい。道をトラムが走っているのはヘルシンキと同じだが、 トロリーバスも走っていた。架線から供給される電力で走行するバスで、日本では唯一、黒部ダムへ向かうルートで運行している。以前黒部ダムへ行った際に乗ったことがあるが、乗り心地は普通のバスとさほど変わらなかった。 「ソラリス」というショッピングセンターに入ってみた。日本でもよく見るようなイオンみたいな商業施設である。本屋でタリンの地図を購入。GoogleMapがあるので実用ではないが趣味で現地の紙の地図を買う。 レジの店員さんが「Have a nice day!」と言ってくれた。地下にあるスーパーマーケットで少し買い物。やはり物価はヘルシンキよりも安い。タリンでは言葉を交わした人全員、英語が通じた。 ソラリスを出て「Viru Keskus」というショッピングセンターの横を通り、トラムが走る大きな道を渡って郵便局と映画館のある通りを経由してフェリーターミナルへと戻ってきた。帰りも来たときと同じタリンク・シリヤラインの「STAR」という船に乗った。 比較的空いているバーガーキングでコーラとポテトを注文し、椅子に座って約2時間。小さな子供がはしゃいで騒いでいた。どこの国も同じだなと思った。デッキに出るとバルト海に沈む夕日が見える。 ヘルシンキのフェリーターミナルに到着し、トラム乗り場の券売機でトラム一回券を買ってKampintoriまで戻る。一度ホテルに戻り、夜は「STOCKMANN(ストックマン)」というデパートなどへ行ってみた。
No.2139 2017-09-28
ヘルシンキ・ヴァンター国際空港

ヘルシンキ中央駅付近

ホテルの客室

■明け方から大雨だったようで、駅までの道に大きな水溜りができていた。その大雨の影響で電車が遅れていた。 成田空港第2ターミナルには定刻より15分くらい遅れて到着。どこもレートは良くないが何箇所か見て歩いて一番得な両替所でユーロに両替。 初めてユーロ紙幣を手にした。きれいな材質とデザインである。92番搭乗口からフィンエアーの機内へ。これから9時間半のフライトである。 18きっぷ旅行で鉄道に15時間くらい乗ってたことがあるが途中の駅で外の空気を吸ったり少し歩いたりできて気分転換になる。一つの乗り物にずっと乗り続けるのはきつい。 首と腰と尻が痛くなった。窓側の席だったのでしばらくの間ずっと外を見ていた。朝鮮半島情勢のせいなのかわからないが日本海を横断せず日本列島の上空を北上するルートだった。 稚内のノシャップ岬と宗谷岬が地図の形のとおりきれいに見えた。何年か前に宗谷岬から宗谷丘陵を延々何kmも歩いたなあと思い出す。 この後はほとんどずっとロシア上空である。町どころか人工物さえほとんど見当たらない不毛な土地が延々とどこまでも続いている。たまに道らしき筋が見える。 途中一箇所だけ石油備蓄基地のようなところが見え、その周囲はほんの小さな村があるようだった。そのうち雲に覆われて何も見えなくなり、 皆食事も済んで寝始めたので窓のシェードを閉めて少し寝た。
■着陸に向けて高度が下がってゆき、フィンランドの地上の様子が徐々に見えてくる。よく聞く「森と湖の国」という言葉のとおりの景色で、森と町が共存しているように見えた。 ヘルシンキ・ヴァンター国際空港に到着。初めてヨーロッパの地に降り立った。まずはトイレへ。便器の位置が高く、個室が広い。 拍子抜けするほど入国審査は空いていた。ここからさらにヨーロッパ各地へ行く便に乗り換える者が多いらしく、フィンランドへ入国する者はそれほど多くないということのようだ。 入国審査官が「How are you?」と言ってきたので「Fine but tired」と答えたら笑っていた。目的、滞在日数、滞在先、この旅行でフィンランド以外に渡航する予定の国はあるか、 などの簡単な質問があった。国際空港のわりには建物の規模がコンパクトである。売店でプリペイドSIMを購入。7日間通話とLTE通信使い放題で7ユーロという安さ。 しかもセールで3.9ユーロになってた。フィンランドは湖が多い国土のため早くから携帯電話による無線通信網の整備が進んでいたという背景があって、物価の高い国にも関わらず通信費は安いようだ。 あのNOKIAもフィンランドの会社である。NOKIAの携帯電話はつい2、3年前までデザインが気に入ってたのでメインで使っていた。
■空港の外に出てヘルシンキ行きのバス停に向かうために横断歩道を渡る。信号機がないので車が通り過ぎるのを待つつもりだったが車がぴたっと止まって渡らせてくれた。 日本ではほとんどないことなので民度の高さに驚く。空港からのバスは20分に1本程度。バスの車体が大きい。お隣の国スウェーデンのメーカーVOLVO社製のバスだった。 バスチケットは車内で運転手から購入。先ほどのプリペイドSIMもバスチケットも当たり前のようにクレジットカードで買える。郊外のハイウェイから徐々に建物の多い町中へ。 車は右側通行で、道路は広い。自転車専用レーンがあって自転車が多く走っている。トラムと呼ばれる路面電車が道の中央を走っている。35分程度で終着のヘルシンキ中央駅前に到着。 夕方近くなってきて天気は良いが思いのほか気温が低く風が冷たい。高緯度のため太陽の位置が低い。中央駅のあるあたりがこの国の首都の中心部と思われるが高層ビルがなく、空が広く見える。 車道は石畳の部分とアスファルトの部分があり、歩道は基本的に石畳。道路標識のサインは日本のものと似ているのが多い。まずはホテルへ。 中央駅から歩いて5分くらいの場所にある。チェックインのための用紙に必要事項を記入しているとき思ったが、名前や国籍、居住地等を記入する欄の説明が フィンランド語、スウェーデン語、英語、ロシア語、ドイツ語、あともう一つくらいあったと思うが、とにかく多言語対応していて、そういうところがヨーロッパ的だなと感じた。 フロントの係の人は感じがよくて良かった。朝食の時間や場所、サウナやプールの営業時間等の説明があり、部屋のカードキーを受け取って4階の部屋へ。 部屋は思ってたより広く、北欧っぽくて明るい色づかいのインテリアで、窓が大きい。快適に過ごせそうだ。
■まだ明るいうちに外出し、中央駅の中や郵便局に入ってみたりしながら少し歩いて、中央駅近くのスーパーマーケットで食べ物を買ってきて食べた。チーズやヨーグルトの種類がすごく多い。 ソーセージやハム等の畜産品も品揃えが豊富である。外食は高いらしいが生鮮食品類はそれほど高くはない。長時間の移動でさすがにやや疲れていたのと翌朝は早起きする予定なので食事と入浴を済ませて早々と就寝。
No.2138 2017-09-26
千葉駅でジャズ

■千葉駅の通路的な場所で年配のバンドがジャズを演奏していた。月末に千葉市内で「ベイサイドジャズ千葉」というイベントが開催されるらしく、 そのプロモーション活動だったようだ。そのイベントは今回で20回目となるそうだが、ぜんぜん知らなかった。市内のいろいろな場所で有料無料のジャズライブが行われるみたいである。 ジャズバンドの周りに人が集まっていたが聴衆の年齢層は高めだった。
No.2137 2017-09-24
■津田沼駅南口の階段下にあった「SLつけ麺」がいつのまにか閉店していて、そこに日高屋がオープンするらしい。11月7日オープンと紙が貼ってあった。 SLつけ麺はたまに定食を食べに行ってたので閉店は残念である。つけ麺は一度も食べなかった。日高屋は北口側に既に1軒ある。
No.2136 2017-09-16
■津田沼パルコの向かいのコーヒー豆の店へ。焙煎が終わるのを待っている間にひさびさにポケモンGOを起動してみた。レイドバトルというのが実装されてから初めてのプレイ。 知らない人と一緒に強いやつを攻撃し続けたのだけど返り討ちにあった。みなレベル35とか36とかになっててすごい。自分はまだレベル23である。
No.2135 2017-09-07
■千葉駅でずっと工事してた「ペリエ」という駅ビルがオープンした。先行して改札内の店はオープンしていたが、改札外のビルの上のほうの階までいろいろな店舗が入って華々しく開業した。 服飾系がメインだが東急ハンズやunico、書店なども入っているようなので利用することもあるかもしれない。千葉駅も以前と比べてずいぶん見違えた。
No.2134 2017-09-02
フクダ電子アリーナ

■昼は身内の面々と千葉みなとのK'S HARBORまで行って食事をした。巨大な水槽があるレストランだった。 千葉ポートタワーのほうへ行ってみたら映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に出てきた車や「ナイトライダー」の車が停まっていた。 趣味の改造車だと思う。ちゃんとナンバープレートがついてたので公道を走れるようだ。
■夕方からは蘇我へ行き、フクダ電子アリーナでJ2の千葉対東京ヴェルディの試合を観戦。試合は2-2の引き分けに終わった。 双方とも攻撃的でスリリングな良い試合だった。ヴェルディのサッカーは強くておもしろかった。
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