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No.1673 2012-3-25
さくら広場

さくら広場
さくら広場。

茜浜
茜浜。

■自転車で茜浜。その前にさくら広場に立ち寄った。修復工事が終わり、ようやく開園となったようだ。桜はまだ咲かないので、 園内には人はまったくいなかったが、管理の係らしき人が、気さくに話しかけてきた。この冬は関東もなかなか寒かったので、 開花はすこし遅くなるのだろう。それでもつぼみはふっくら大きくなりつつあるようだ。空がきれいで気持ちがいい。 気温が上がってきているので、厚くて背の高い雲も見える。
■菊田川の脇、墓地の反対側から茜浜へ入ってゆく道の護岸工事が完全に終わり、ようやく通れるようになった。 すでに昼近い時間だったので人が大勢来ており、騒がしいせいかいつもの猫達は一匹も姿を現さなかった。 家族連れや犬の散歩が多い。海が光っていた。結局この冬はこの海辺から富士山を見ることはなかった。 新習志野駅の改札の向いにあるパン屋に立ち寄って、帰宅。
■午後は東京FMのサンデーソングブックを聞いた。日曜の昼下がりに合ういい曲がたくさんかかった。 父が世を去ってからちょうど丸二ヶ月が過ぎた。ずいぶん前のことのような気がする。ぼんやりしてても時間は進んで、 春になって夏になって秋になる。秋にはまたひとつ年をとって、冬になる。もうすぐ新年度だ。
No.1672 2012-3-17
NHKホール
NHKホール。

■午後から電車で代々木乗り換え、原宿まで。渋谷は極力通りたくないので、NHKホールへ行くときはこのルートになってしまう。 雨の東京。歩道橋を渡ると代々木競技場の体育館からぞろぞろ出てきた人並みとすれ違う。 フットサルの大会があったようだ。色とりどりの傘が歩道橋を渡っていく。NHKホールに到着。 かなり早く着いてしまったと思ったが、既に大勢の人たちが開場を待つ列をつくっている。
■山下達郎ライブツアー「PERFORMANCE 2011‐2012」である。 やっとこの日が来た。11月から始まったツアーなので、既に行った人がブログなどでセットリストを書いてある。

※ここから、ライブの中身についての文章があります。
ツアーが終わるまで、セットリスト等についてはブログ、ホームページ等に書くなとは言いませんが、それなりの御配慮を、 という達郎さんからのお願いがありましたので、偶然にも検索などでここにきてしまって、これからライブに足を運ばれるという方の中で、 俺は絶対行く前にセットリスト見ねえぞ、という硬派な方がもしいらっしゃったら、ここから先はお読みにならないことをおすすめします。

BIG WAVE、雨は手のひらにいっぱい、おやすみロージー、高気圧ガール、恋のブギウギトレイン。
一度ライブで聴いてみたかった曲がこんなにあって、これはなんとしてでもライブ行きたい、と思い、各種先行抽選等に申し込んだのだった。 東京、しかも土日なので競争率が高かったのだと思う。なんども抽選にもれた。苦労したが2月に入ってからなんとか手に入った。
■なぜ自分がここまで山下達郎のライブに行きたいと思ったのかというと、私が知っているかぎりでは、 日本のポピュラーミュージック界のなかでもぶっちぎりのクオリティなのだ。楽曲、演奏、歌唱、あと、このことばを書くのははつかしいが、 グルーヴ感。初めてライブを体験したRISING SUN ROCKFESTIVAL in EZOで、これほどまでとは、と、腰が抜けるくらいびっくりした。
■開演18時なのに一時間近くも前からなんでこんなに並んでるんだろ、全席指定なのに、と思っていた。 開場時間になってぞろぞろと入っていくと、みなまっすぐグッズ売場へ進んでゆく。 ロビーには各方面から届けられた花がたくさん飾られていて、ジャックス、ツタヤという新旧のラジオスポンサー、 東京FM、前回もあったが今回も桑田佳祐・原由子夫妻、あとなんかいろいろきてた。 どういうわけか幸田くみからの花もあった。
■ホールに入り、座席に座る。まわりをざっと見た印象だと、相変わらず年齢層が高いが、 2010年のツアーのときとくらべて、いくらか若いお客さんが増えたように見えた。若いといっても自分と同じ30代くらいの人たちだが。 ほぼ予定通りの時間に開演。
前に、なにかのライブ音源を聞いたことがある。20年くらい前のものかもしれぬ。 それはたぶんライブのオープニングで、曲のイントロの中でたしかこんな風に言ってた。
「数ある娯楽のなかから、この山下達郎のコンサートを選んで足を運んでくれてありがとうございます」
細かいところはちがうかもしれないが、だいたいこんな感じだった。 今回も、そういう挨拶が冒頭にあって、こういう気持ちを持ってるから長くやれてるし、 どこの会場でもチケット完売するのだろうなと思った。
■バンド編成は前回と変わらず、サックスが還暦を迎えた土岐さんから20代の宮里さんにチェンジ。 ドラムとサックスが20代で、他は全員50代だという。 2000年以降の作品と60年、70年代のオールディーズ作品がボーダレスで聴ける彼のラジオ番組のようなバンド編成だ。 例えがあんまりうまくないような気もする。要するに古けりゃいいってもんでもないし、新しくてもいいものはいい。 古いのにいいもの、古いのにだめなもの、新しいのにいいもの、新しいのにだめなもの、いろいろある。 サックスの宮里さんは宮崎の都城在住で、そこからライブ会場へ来ているそうなので大変だ。 「老け顔ですが、まだ20代です」と紹介されて苦笑いしていた。もともとジャズのサックスを吹いている人だそうで、 達郎さんが「めちゃめちゃうまい」と評していた。「これから名前がどんどん出てくるでしょう。応援お願いします。」とも言っていた。
■ステージ上のセットも凝っていて、今回はどこかアメリカの川沿いのストリートで、向かって左には楽器店、右手には倉庫、正面奥には大きな橋のシルエット。
今回のツアーではこのNHKホール一番大きな会場と言っていた。3700席。3階のお客さんごめんなさいね、 僕ならこのホールに3階席はつくらないな、と言っていたが、オペラもやるようなホールだから、設計がよく、音響はとてもいい、とも。 自分は運よく一階の席だったが、音が後から跳ね返ってくる感じが少しある。 でもアナログの機材で最高の音に調整するPAのスタッフの技術の高さがすごい。
■とりあえず、セットリストを。
01.THE THEME FROM BIG WAVE
02.SPARKLE
03.DONUT SONG
04.素敵な午後は
05.僕らの夏の夢
06.プロポーズ
07.SOLID SLIDER
08.俺の空
09.雨は手のひらにいっぱい
10.バラ色の人生〜La vie en rose(一人ア・カペラ)
11.DON'T ASK ME TO BE LONELY(一人ア・カペラ)
12.おやすみロージー(一人ア・カペラ)
13.When You Wish Upon A Star 星に願いを(一人ア・カペラ)
14.クリスマス・イブ
15.希望という名の光
16.さよなら夏の日
17.今日はなんだか
18.LET'S DANCE BABY
19.高気圧ガール
20.アトムの子
(アンコール)
21.街物語
22.RIDE ON TIME
23.恋のブギ・ウギ・トレイン
24.YOUR EYES
■昨年出た新しいアルバムからは「僕らの夏の夢」「プロポーズ」「俺の空」「バラ色の人生〜La vie en rose」「希望という名の光」「街物語」の6曲。 オープニングの「A Ray of hope for you, A Ray of hope for me, A Ray of Hope for life for everyone...」というサウンド・エフェクトの中、メンバーが登場し、 一曲目の「THE THEME FROM BIG WAVE」のイントロが始まる。ドラムとベースが奏でる、とてもわくわくするイントロ。 ドラムはPearlのやつで、20代の小笠原さんの叩くドラムの音はとても誠実だ。スティックさばきが美しい。 以前も書いたことがあったと思うが、私が小さなころ、初めて出会った山下達郎作品がこの曲だったと記憶している。 ライブの定番曲だという「SPARKLE」「DONUT SONG」と続く。
■キャリアが長くなってくると持ち曲が多くなるので、ライブではどの曲をやるか、ではなく、どの曲を削るか、と考えなくてはいけなくなる、と言っていた。 例えば今回のツアーでは「THE THEME FROM BIG WAVE」だとか「素敵な午後は」「おやすみロージー」など、 10数年ぶりとか20年ぶりにやる曲もいくつか。「SOLID SLIDER」ではサックスの宮里さん、キーボードの難波さんがやや長めのインプロヴィゼーションぽいソロ。 そのバックで達郎さんが黙々とギターカッティング。「俺の空」では達郎さんとギターの佐橋さんがステージの中央でハードロックバンドみたいなツインギター。 達郎さんが楽しそうにギターをかき鳴らす姿が印象的だった。「雨は手のひらにいっぱい」はシュガー・ベイブ時代の曲なので、1975年の作品だ。 ちょうど雨の日に、自分が生まれる前の曲をこうやって生で聴いている。山下達郎バンドには、ボーカル、ドラム、ベース、ギターがいて、 キーボードがいる。ここまではよくあるバンド編成だと思うが、ここにコーラストリオとサックスが加わっていることが、 音の上での最大の特徴だろう。彼らの存在がライブに厚みをもたせ、格調高いものにしている。
■一旦、ステージ上からバンドメンバーが全員いなくなって、達郎さんだけになる。一人ア・カペラのコーナー。コーラスを多重録音したテープ、 というかいまはディスクだろうか、それをバックにメインパートを歌う。今回は新しい試みとして、ストリート風セットということもあり、PAを通さずオフマイクで、 ラジカセと生声で「DON'T ASK ME TO BE LONELY」を歌った。先にも書いたが、今回のNHKホールがいちばん大きな会場なので、 生声での挑戦はここが一番の難関、というようなことを言っていたが、実際歌ってみるとすごい。力をめいっぱい入れているという感じでもないのに、 声がびょーんと通るのだ。歌い終わって一瞬の間があり、3階席あたりからすごい拍手が起きた。広いホールの端までしっかり届いたようだ。 「(ライブは)ホールでしかやらない」と言っていた意味がこれか、と思った。 オケをバックに「星に願いを」を歌い、いつの間にかステージ上に戻っていたバンドメンバーと「クリスマス・イブ」。 パッヘルベルのカノンを取り入れた間奏に入ると照明がドラマチックにステージを彩る。ラストは、メンバー全員が手を止めて静かにオケがフェイドアウトしてゆく。 そのさまが美しかった。
■2011年の3月以来、日本における全ての人、物、事は、あの震災と分けて考えることはできない。
「希望という名の光」の間奏に入ったところで、達郎さんが言っていたことを極力思い出してここに書き起こしてみる。 かなりここは集中して聞いていたつもりだが、間違いは多々あるかと思う。それでも書いてみる。
「みなさん御承知のとおり、昨年、1000年に一度の災害が起こりました。直接被災してない人も含め、 この国に関わる全ての人々が同じような不安や恐れをもって過ごしてきました。あれから一年経ちます。 音楽をやる人間が、音楽をやるということの意味を、改めてみな考えています。そういう一年でした。 いまも復興にむけて、たくさんの人たちが、さまざまな活動に取り組んでいます。現地へ行っているミュージシャンもいます。 私はいままで、少し変わったスタンスで活動してきました。1億2千万、日本のすべての人を満足させるような曲をつくる能力はありません。 でも、いままで僕の音楽を聞いてくれていた人たちには、ほんのちょっとの、ちいさな光を届けることができるのではないかと考えています。 この曲(希望という名の光)はもともと、2009年に作った曲で、でもあの震災の後、この曲に心を寄せてくださるかたがたくさんいらっしゃった。 音楽というのは不思議なもので、一度手を離れた作品が、まったくちがう方向性を持ってひとりでに歩き出して、思いもよらなかったような意味を背負うことがある。 だからもう一度、こちらの手元に手繰り寄せて、今回のライブツアーでは、どう演奏したら喜んでもらえるか、 今日、こんな雨のなか来てくれた3700人の皆さんにとって、3700人の皆さん一人ひとりにとって、この曲が少しでも、励ましや癒しになれば、 そんなことを考えながら今晩は、バンドメンバー、PA、照明、クルー、全てのスタッフ、そしてなにより、今日来てくれたみなさんの心の希望に、 小さな光となるように、心をこめて、歌わせていただきます。」
そんな言葉のあと、The Youngbloodsの 「Get Together」の一節を歌った。
「C'mon people now, Smile on your brother Ev'rybody get together」
続けて、1940年代のアメリカの有名なフォークソングである「THIS LAND IS YOUR LAND」を。
「This land is your land, this land is my land, From California, to the New York Island」の部分を 「from Hokkaido to the Okinawa Island」と替えて。
次に、岡林信康の「友よ」。40年くらい前の、学生運動の頃の歌だ。
「友よ この闇の向こうには 友よ 輝く明日がある」
そして、達郎さん自身の曲「蒼氓」の一節を歌った。
「ちっぽけな町に生まれ 人ごみのなかを生きる 数知れぬ人々の 魂に届くように 泣かないで この道は未来へと続いている」
周囲からは鼻をすする音が聞こえ、目をぬぐう者も多くいた。すさまじい名演だった。この部分だけでもたくさんの人に見て聞いてもらいたいと思った。
■そのまますぐに「さよなら夏の日」。曲の後、客の一人が「ゴジラ紹介して」と言うと、ステージ上においてある大きなゴジラ(ラジコンらしい)の紹介をした。 自分で紹介しておいて、時間ないんだから、ゴジラなんていいんだ、とか言ってておかしかった。そのあと、ツアーグッズの紹介。 「他のミュージシャンのライブで売ってるパンフレット見ると、ほとんど写真ばかりで、私の場合、写真を載せても売れないから」と言うと大きな笑いが起きた。 そのぶん、文章に力を入れているそうで、今回のパンフレットは、これまでの作品の一部を取り上げて歌詞の解説、あと使っている楽器の紹介をしているとのこと。 「2万7千字くらいあります、ロッキンオンジャパンか」とか言っていた。あとは竹内まりやのCDの宣伝もちょっとだけ。それから、 いまでもこうやってステージで、シュガーベイブ時代の曲ができる幸せをかみ締めています、という言葉から「今日はなんだか」。 「LET'S DANCE BABY」では、「心臓に指鉄砲」のところで恒例のクラッカーがあちこちから鳴らされる。間奏のところで「30年唯一欠かしたことのない曲。何度もこの曲はやめよう、 次のツアーではやらないからクラッカー持ってこないで、と言おうと思ったが、落胆するお客さんの顔が目の前に浮かんで言えなかった」と言い、 「こうなったら一生やります」と言って拍手が起きた。ある市のホールで、お客さんがクラッカー鳴らしたら始末書を書かされたらしい。 だからちゃんと片付けて帰ってください!とお願いしていた。途中、前回は吉岡治メドレーを歌ったところで今回は ザ・タイガースの「シーサイド・バウンド」、加山雄三の「君といつまでも」、ワイルドワンズの「想い出の渚」、 はしだのりひこ&シューベルツの「風」、ザ・ゴールデンカップスの「愛する君に」、自身の「DOWN TOWN」、 あとなんだったか一曲くらい歌ってからロイ・オービソンの「MEAN WOMAN BLUES」。お客さんの手拍子も大きくなる。 勢いよくそのまま「高気圧ガール」「アトムの子」となだれ込み、本編は終了。
■アンコールを求める手拍子に応えて再度メンバーが登場。 アンコールは「街物語」でスタート。「RIDE ON TIME」では後半でメンバー紹介とそれぞれの短いパートソロ。 ラストでは、再びオフマイクで生の声を披露。ここでメンバー全員がステージ前方に並んで一礼。再度楽器を持って「恋のブギ・ウギ・トレイン」。 この曲はもともと、アン・ルイスに提供した曲で、達郎さん本人による演奏はライブアルバム「JOY」に収録されているが、スタジオレコーディングされた音源は、 オリジナルアルバムにもベスト盤にも収録されていない。この曲がめっぽうかっこういい。 他の曲のときもそうだが、曲のブレイク部でギターのネックを少し持ち上げて振り下ろすような動作もかっこういい。 最後に、サックスだけを従えての「YOUR EYES」でやさしい余韻を残しながら公演終了。 自身の一人ア・カペラナンバー「That's My Desire」が流れるなか、何度も客席に頭をさげ、名残惜しそうにステージから去っていった。
■達郎さんは話が長いので、少し短くして一曲でも増やせばいいのに、とも思うが、いろいろ話したいことがたくさんあるのだろう。 あと、本人含めて50代プレーヤーが多いので、曲間のインターバルも必要なのかもしれぬ。 前回のツアーのときにも言っていたような内容の話も多かったが、上に書いた以外にも、いろいろ話をしていたので、それを書いてみる。
■2008年にツアーを再開してから今回で3シーズン目になるので、声がずいぶん出るようになった。 今回は38会場、64公演という、30代のころのようなスケジュールでやっている。 新譜を伴ってのツアーは13年ぶりで、アルバム「COZY」を出したとき以来だそうだ。 今日の会場はマスコミ成分が多めです、と言って2階席あたりをちらっと見ていた。東京公演なので取材とか記者とか、マスコミ関係者が多く来ていたのだろう。
■ツアー前に受けた人間ドックも脳ドックも、問題ない結果だったとのこと。特に脳ドックは、来年は受けなくてもいい、大丈夫、とまで言われたそうだ。 まだ創作意欲もあるし、いつまでこうやって続けられるかは神のみぞ知ることで、来年還暦だが、三波春夫さんや加山雄三さんのように70代になっても歌っていられたらと思っている。 ライブでの選曲についての苦労も、先に書いた「どれを削るか」ということ以外にもあるようで、 たとえば80年代後半に入ってからの作品だと、コンピュータでつくった曲が多くなって、ステージでできない、とか、 新しいアルバムに入ってる「Never Grow Old」なんかも挑戦してみたが、シーケンサを使ってシンセベースで、ステージでやってみたら しょぼかったのでやめた、だとか、「ヘロン」はキーが高くて大変なので、やってやれないことはないが、この一曲で声がつぶれてしまう、とか。
■東京のお客さんはむずかしい、と言いながらも、洒落がわかる、笑ってくれる、とも。 地方だと、ちょっときついことを言うとシーンとしたり、ご婦人が心配そうな顔でこちらを見るのだそうだ。 幾度となく「洒落ですよ、洒落」と言っていた。今日のお客さんは東京のわりにはあたたかくて、やりやすい、と言っていた。 ネット上での「山下達郎、うどんを強烈にdisる」の話、「AKBをdisる」の話(このへんの話は検索するとすぐ出てくる)、 disるってなんだと思って意味を調べた話、洒落の通じない世の中になってしまったのでいやだ、とか、 うどんの件で讃岐のかたからはがきが来た、とか、 立川談志が毒蝮三太夫に駅のホームで突き落とされそうになって、毒蝮氏が「洒落だよ」と言ったという話、 そして自分はまだそこまではいけない、とか、そんなような話をしていた。 いちばん前、オーケストラピットにも客を入れるのでそこの席はかなりステージに近いのだけど、 そこに座っていた男性が、後から見ててもわかるくらい、達郎さんの話にうけてて、 こんだけうけてくれるとやりがいがある、と言って笑っていた。
■ありがたいことにいまだに、新規のお客さんが来てくれる。で、そういうお客さんがライブに来て、一曲も知ってる曲がない、とならないように、 そういう人達のためにもある程度、常連さんにはまたこれかよと思われるかもしれないが、よく知られている曲いくつかは外せないんです、とのこと。 30年ずっと来てくれてる連中は、なにやったって来るからいいんです。洒落ですよ、洒落。新しいアルバムについて、ネット上でいろいろ言われている。 バラードが多い、とかタイアップが多い、とかつまらない、とか言ってる評論家ごっこしてる連中がいますが、だったら聞かなきゃいいのに、 と笑って言っていた。あと、政治家がバカ、と言ったら、宇都宮のかたからはがきがきて、あなたみたいに影響力のある人がそんなこと言っていいのか、 という内容だったそうで、バカにバカと言ってなにが悪い、と言ってた。
■長々と書いたが、簡単にまとめると、今回のライブも、山下達郎はたくさんしゃべり元気に歌った。
■原宿は夜遅くなると人がめっきり少なくなるから、いい。雨は上がって、霧がかかっていた。ビルの灯りもかすんでいる。 帰りは中央線ではなく、山手線で品川まで行って、横須賀線の快速で津田沼まで。電車は空いていた。
No.1671 2012-3-11
茜浜

茜浜

茜浜の猫
それぞれの3月11日。

■午前中、自転車で茜浜。菊田川河口の護岸工事も一部を除いてほぼ終わり、 海浜霊園には墓参りの人たちがちらほら。海辺にはジョギング、犬の散歩、釣り人、 小さな子供を連れた家族など。いつもの猫たちが三匹。空はうす曇りで、風はつめたいが空気は徐々に 春らしくなってきているように感じた。
■途中、ひさしぶりにさくら広場の様子を見に行ってみた。となりの島忠というホームセンターなどが入っている 商業施設の駐車場には、開店と同時にたくさん、来客の車。自動車販売台数が減っているというニュースを ここ数年ずいぶん聞いているが、道ゆく車の台数はちっとも減らない。一台を長く乗る人が増えたということだろうか。 さくら広場は昨年の地震以来閉園されたままになっていたが、いま工事が行われている。近々開園するのかもしれぬ。
■帰りは国道14号沿いにあるマルエツに立ち寄った。そういえばちょうど1年前、電車が止まったせいで千葉市内の職場から歩いて帰ってきたとき、 ここのスーパーに立ち寄ったのだった。駐車場の片隅に一本の太いタブノキが立っている。「習志野名木百選」に選ばれている旨のプレートがついてて、 「大正6年の台風による高潮から一家を救ったといわれている」と書いてある。これだけ読んでもなんのことやら、という気持ちになるが、 要するにたぶん、台風で大波が打ち寄せたときにこの木につかまって助かった人がいたのだろう。 いまでは埋め立てで海岸線がはるか遠くになってしまったが、この国道14号線までかつては海だったのだ。袖ヶ浦団地あたりが、 地震での建物への被害が大きかったというのも、埋立地だからなのだろう。確か船橋市でも、 国道14号線より海側か山側かで建築や造成工事の基準がかなりちがったと記憶している。
■午後からはいつも通りラジオで山下達郎のサンデーソングブックを聞いた。 ちょうどあの地震の日から丸一年で、追悼の行事などが全国で行われている。
3月11日。
こんなに大勢の人々の命日になってしまった日というのは、戦争以外であったのだろうか。 テレビではどうせどの局もおんなじようなお涙頂戴演出過剰なドキュメンタリ風番組とかやってるんだろう。見なくてもわかる。 テレビを見る層がそういう番組を求めるのだからしかたないのかもしれぬ。テレビを見てる人っていうのは、 「郵政民営化!」「自民党をぶっこわします!」というえば自民党に、「一度やらせてみてください!」「政権交代!」といわれれば 民主党に投票するような人たちっていうイメージ。偏見だろうか。一度やらせてみたら日本にとどめをさしそうになっとるね。 だからといってラジオ聞いてる人のほうがまともかというと、そうも言いきれないのは、ツイッターでラジオの実況してる人たちの発言で 「Twitterで、同じ時を過ごしている多くの人達と、今、この時間を共有している!繋がっている事を実感出来る!」 とか言ってるような人がたくさんいて、正直、わるいけどあほかと思う。なぜ人は一体感を求めるのか。 求めるなやあほが。
■ツイッターの人たちを見てると、なんか、かまってちゃんの集合だなと思う。いいことうまいこと言って、リツイートというのだろうか、 それをしてもらおうとしてる感じもいやだ。みんな見て!見て!みたいな。 アニメキャラのアイコン出して、不器用になれあいしてる。人とかかわってないと死んでしまうのかなこのひとたちは、とも思う。 でもツイッターはいろいろな情報が見れて便利ですね。すごいです。
■そんなことはどうでもいいのだった。サンデーソングブックは、震災後最初の、昨年3月20日の放送のときのように、 とてもいい番組内容だった。地震の日からちょうど一年の日の14時台の番組を担当したのがこの人でよかったと思える。 全国ネットで追悼特別プログラムを組んだほうがいいのではないかと山下氏側から提案もしたそうだが、 東京FMがサンデーソングブックをやってくれと言ったのだそうだ。選曲もよかった。話もよかった。リスナーからのお便りもよかった。 そういえば前夜に聞いた桑田佳祐のラジオもよかった。14時46分の何分か前に、習志野市役所のスピーカーから、 地震の時刻に合わせて黙祷を、といった内容のアナウンスが聞こえてきた。
No.1670 2012-3-04
■Jリーグ2部(J2)が開幕。ここのところ、めっきり観戦に行くことはなくなってしまったが、 やはりサッカーが始まると楽しい。今年はJリーグができてから20年目のシーズン。最初10のクラブでスタートしたリーグが、 途中で1つのクラブがなくなってしまったものの、いまでは全国、1部2部あわせて40クラブまでになった。 各クラブ、それぞれの背後に見えるさまざまな要素、たとえばスポンサーやホームタウンの規模、 ファンの熱心さやスタジアムの規模、立地、となりのクラブとの関係や下部組織、地元の高校、大学とのつながり、 クラブのポリシーや人事などなど、そういう諸々が積み重なってプロリーグ20年。 イングランドなど、ヨーロッパのリーグは100年以上の歴史があってすげえなと思っていたが、20年だってなかなかのもんだ。
■ジェフユナイテッド千葉はホームで山形と対戦し2-0で勝利。新戦力が力を発揮したようだ。
■話は突然変わるが、最近のデジタルカメラの新製品を見ていると、昔のフィルムカメラのデザインに似せたものが結構出ている。 特にデジタル一眼はニコンもキャノンも、なんでこんな丸っこいのかね、だせえと思っていたから、 昔のカメラみたいに角ばったやつが増えてきて、いい流れだなと個人的には思う。いまでもできることならフィルムで撮りたいと思うのだけど、 いかんせんコストがとてもかかる。デジタルはその点、SDカード一枚で済むからすごい。
■フィルムで撮ると、責任といったらおかしいが、失敗はぜんぶ、費用になって自分に跳ね返ってくるから緊張するけど、 一枚撮るときの集中力といったらデジタルにくらべると相当なもので、オートフォーカスもないようなカメラだと、 ピントを合わせるだけでも本当に眼に力が入る感じがする。だから逆に、オートフォーカスってすげえな、便利だな、と今さらこの時代に思う。 レコードで音楽を聞くという行為もこれに似てて、盤を回して、針を落として音が出る。手間がかかるし、 A面が終わったらひっくり返さないといけないから面倒はある。でもなにより、音楽を聞いているという実感がある。
No.1669 2012-3-03
茜浜の猫
茜浜の猫。

アナログ
アナログ。

■ひさしぶりに自転車で茜浜。結局この冬はこの海辺から富士山を見ることはなかった。 訪れる回数自体が少なかったというのもあるが。猫は3匹。そのうち1匹が近寄ってきたのでなでてやったらしばらくそばにいた。
■アナログレコードをいい音で聞きたくて、いわゆるターンテーブルを購入したのだった。 いままでは、楽器屋に売ってた半分ポータブル式みたいなプレイヤーをアンプにつないで聞いていた。 音を追求するなら、ベルトドライブのプレイヤーを選択するべきなのだろうが、なるべく消耗部品がないほうがいいし、 頑丈で長持ちするのはダイレクトドライブのターンテーブルだと思う。テクニクスとかヴェスタクスのまともなやつを買うには ちょっと予算の折り合いがつかなくて、廉価なものにした。でもヴェスタクスの定番、SL-1200にとてもよく似ている。 というか、そうとうそっくりなので、ひょっとしたらOEMかもしれぬ。針圧の調整なんて初めてなのでおそるおそるやってみたが、 どうにかすぐに聞けるようになった。音は、最高にいい。アナログ盤ってこんなにいい音するんだと思う。 カートリッジの交換もできるので、拡張性があるのもいい。

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